トランプ政権と日本・アジア 2017

米国株や為替に影響する時事問題を中心に政治動向をウォッチ。今さら聞けない常識も再確認。

トランプ政権発足半年 支持率36%をどう見るべきか

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(出所はWIKI画像)

  トランプ政権が発足してから7月20日で半年になります。

 そこで、各紙が半年後の米国民の反応などを取り上げているようです。

 昨日はCNNが歴代大統領のなかで最低になる支持率36%、不支持率58%という数字を弘めていました。

 4月に就任100日後の調査をワシントン・ポストとABCニュースが行った際には支持率42%、不支持率53%だったので、さらに低空飛行になったようです。

 もともとマスコミとのバトルの中で大統領選を戦い、「まさか」の勝利の結果、始まった新政権なので、筆者は「世論調査」の数字がよくなるわけがないと思うのですが、この種のニュースの中にも米国民の本音をのぞかせる記事はありそうです。

 そこで、幾つか、気になる記事を取り上げてみます。

トランプ政権発足半年①:支持と不支持の五大理由

 フォーブス誌(2017/7/19)が「トランプ大統領、好きと嫌いの「5大理由」 支持率は戦後最低」と題した記事を公開しています。

 ギャラップ社がが7月5~9日に米国人1021人を対象に実施した調査をもとに「トランプ支持と不支持の5大理由」を紹介しているのです。

  【支持しない理由】

  1. 大統領にふさわしくない/気性が荒い/傲慢/不快── 29%
  2. 経験不足/自分の行動を理解していない── 10%
  3. 行動を支持できない/仕事がなっていない── 7%
  4. 独り歩きしている/国民のニーズを考慮していない── 6%
  5. ソーシャルメディア/ツイッターの使い方── 6%

  【支持する理由】

  1. よくやっている/厳しい状況下で最善を尽くしている── 12%
  2. 約束を守っている── 11%
  3. 米国にとって最善のことをしている── 10%
  4. 引き下がらない/強力な指導力を示している── 9%
  5. 既存の政治とは一線を画している/政治家ではない── 7%

  支持しない理由の第一位に、トランプ氏の人格面の理由がずらりと並んでいます。他の支持しない理由を見ても、「独り歩きしている」「SNSの使い方」(突然出てくるツィート等)など、「人格」面の理由と思われるものが散見されます。仕事の中身以前に「奴の人格が気に食わん」という反応がけっこう多いようです。

 これに関しては、同氏に原因があるので、自業自得と言えばそれまでですが、支持する理由が今一つわかりにくいのも特徴です。「約束を守っている」と言いますが、よく見ると、結構、政策は変わっているので、これは自分が期待した政策が実施された、という意味なのでしょうか。

トランプ政権発足半年②:各国の反応

 日経電子版(2017/7/20)では「トランプ政権半年、米抜き「新常態」探る世界」と題した記事が公開されています。これも百日記念記事です。

トランプ米大統領が20日、就任から半年を迎える。曲折はあっても「米国第一」の原点は揺るがず、グローバル化や自由化を主導してきた超大国の変質は覆い隠せなくなった。日本や欧州は米国抜きの枠組みで自衛に動き、中国やロシアは間隙を縫って米国の覇権に挑もうとうごめく。世界は我流の指導者の下で「ニューノーマル(新常態)」を探り始めた。

 で、何が起きたのかというと、各国の指導者は以下のアクションを採っています。

  • 安倍首相:「自由貿易の旗手」を自任。TPPやEUとのEPA発効を目指す。
  • メルケル独首相:米国抜きで「パリ協定」などを推進
  • プーチン大統領:旧ソ連諸国とつくる「ユーラシア経済連合」構想の推進
  • 習近平主席:「一帯一路」の推進等

 各国首脳はゴーイングマイウェイを考え始めたわけです。

 経済面では以下の三点が注目されていました。

  • 米経済学者が算出する世界の「経済政策不確実性指数」は、1月に過去最高の312⇒6月に164
  • バーナンキ前FRB議長ら15人は「経済的、外交的に重大な代償を払う政策を避けてほしい」との要望書をトランプ氏に提出
  • 政策が決まらないことに、米金融大手JPモルガン・チェースのダイモン最高経営責任者(CEO)は「米国人であることを恥ずかしく思う」と表明。

 経済界はトランプなれしましたが、やはり不安や不満が尽きないようです。

トランプ政権発足半年③:米国第一とIS打倒が進んだ

 振り返ると、トランプ大統領は就任演説で以下のようなメッセージを出しました。

  • 本当に大事なことは、どの政党が我が国の政府を支配するかではない。大事なのは人々が政府を支配しているかどうかなのだ。
  • 我が国の忘れられた男たち、女たちは、もう二度と忘れられることはない。
  • 我々は他の国々の国境を護ってきたのに、我々の国境を護ることを拒んできた。我々は他の国々を豊かにしてきた。しかし、我が国の富と力、自信が地平線の彼方に消えていった。
  • この日を境にして、わが国は新しいビジョンで治められることになる。まさにこの瞬間からだ。それは、アメリカファースト。アメリカファースト。
  • 全ての決定は、貿易、税金、移民、外交に関しても、アメリカの家族、労働者にとって有利なものでなければいけない。
  • 我々は二つの単純な原則に従う。「アメリカのものを買え。アメリカ人を雇え」
  • 我々は古い同盟を補強し、新しいものにつくりかえる。国際社会を過激なイスラムのテロリズムに対して団結させる。我々は地球の表面からテロを一掃する。
  • 我々はともにアメリカを再び偉大にする

 このうち、アメリカファーストとIS打倒は現実化しつつあります。

トランプ政権発足半年④:それでもオバマ外交よりはマシ?

 マスコミの評価はさんざんですが、筆者の感想としては、低支持率ながら、トランプ氏は意外に「頑張っている」のではないかと考えています。目立った効果は出ていないものの、北朝鮮への強硬姿勢を採ったことや、結局、日米同盟が強化路線になったことなどは、我が国にとってプラスです。

 米中交渉もさほど成果があがらず、中国に北朝鮮対策をやらせてもダメだとわかれば、中国についても、今後、ある程度厳しいスタンスに戻っていくことが予想できます。

 筆者は前任者のオバマ氏があまりにも中国と北朝鮮に宥和外交をやりすぎたと見ているので、トランプ氏の出現には一定の意味があると考えています。

 日本との通商問題が浮上するリスクもありますが、筆者の感想は「オバマ氏の宥和外交よりはましでしょ」というものです。

 トランプ氏が低支持率になるのは、もともと分かり切った話でもあります。 

 日本で見るトランプ氏の姿は、アンチトランプの米マスコミ情報を、偏見の色濃い日本メディアが切り取って報道する、という二段重ねのバイアスがかかっているので、この種の報道は、米国民の本音をのぞかせる部分を拾いつつも、ほどほどに見ていきたいものです。