トランプ政権と日本・アジア 2017

米国株や為替に影響する時事問題を中心に政治動向をウォッチ。今さら聞けない常識も再確認。

マクロン氏とブリジット氏 25歳差でも円満夫婦 年の差婚の時代が来るのか?  

f:id:minamiblog:20170509001603j:plain

(アミアンを流れるソンム川。マクロン夫妻が出会ったのはアミアンの高校らしい。出所はWIKI画像)

  注目のフランス大統領選は、無事にマクロン候補が当選。内務省調査によれば、マクロン候補の得票率は66.06%、ルペン候補は33.94%なので、圧勝と言える数字でした。

 とりあえずルペンショックが回避されたので、国際社会はそれに伴う複雑な問題を考えずに済むことになりました。

 このたびは39歳の大統領出現ということなので、これは、おやじ社会の中でなかなか偉くなれない若い世代への朗報ではないかと筆者は肯定的に受け止めています。

 率直に言えば、マクロン候補の経歴を見ると「金融業のプロ+経済閣僚」というのが主な内容だったので、大統領の最大の任務である外交・安保系の見識は不明なままですが、それでもEU離脱をされるよりはマシだとフランス国民が判断したということなのでしょう。

 意外と知らない人もいますが、フランスは核兵器保有国なので、マクロン氏は先進国の中で世界最年少の核兵器発射ボタンの管理者となるのです(マクロン氏の政策の中では、防衛費はGDP比2%を目指すことになっているので、トランプ政権から見ても文句はなさそうです。注文がつくのは2%以下の国々)。

 その意味では、マクロン氏には、今後、外交・安保面でも頑張ってほしいものです。

 ただ、筆者はフランス大統領選の真面目な話題はやや取り上げ疲れしたので、今回は、もう一つの隠れ論点についての記事に挑戦してみます。

マクロン氏とブリジット氏の「年の差」婚ってどんなもん

 それはマクロン候補の「年の差」婚です。39歳で当選、25歳年上の奥さんと、何かと年齢に関する話題が多い方ではあります。

 この人は早熟なタイプなので、結婚も大統領になるのも早かったとみるべきなのではないかと筆者は解釈していますが、世間ではいろいろと文句を言う方もいるようです。

 例えば、フォーブスの記事(2017/05/08 )では、ブリジットさんに関して、(批判者が)「悪く言う理由は主に、64歳というその年齢と、39歳という夫の若さだ。だが、夫妻の年齢差はドナルド・トランプ米大統領と妻メラニアと同じ。違いはただ、男性が年の離れた若い妻を持つことは有利に働くと見られる一方で、逆の場合は侮辱や悪ふざけ、不信感、批判の対象にされるということだ」と論評していました(フランス新大統領夫妻への反応に見る仏社会の「女性観」

 筆者がこの記事を読んで驚いたのは、その種の批判ではなく、二人の出会いの逸話のほうでした。

 マクロン氏15歳、ブリジットさん40歳(当時は私立高校教師)で出会い、マクロン氏が18歳になるまでに先生のほうが既存の夫と別れ、マクロン氏が29歳の頃に結婚が固まったので、かなり衝撃的なカップリングがなされたことになります。

 旦那と別れて15歳の少年と恋愛する・・・という世の夫が目をむくような話ですが、お互いに年の差があってもずっと夫婦関係が続いているので、恋愛としては非常に真面目だったということなのかもしれません。

「子供はどうなってるの?」という疑問はありますが、読売新聞(5/8)は「2人の間に子供はいないが、ブリジットさんは前夫との間に3人の子供と7人の孫がいる。子供の1人はマクロン氏と同級生だったという」と報じていました(「マクロン氏、妻は25歳年上・高校時代の教師」)。

 同級生が子供の一人に入るそうなので、もはや筆者には理解不能な世界の話ですが、同性愛者の人権が守られなければいけないなら、年の差婚への挑戦者の人権も守られなければいけないーーという論理は成り立つはずです。

 この種の話題に関して、あまり衝動的な批判等をしてもラチはあかないでしょう。

 なお、日本の統計(2010年度)で見ると、マクロン氏とブリジット氏のように夫29歳、妻54歳で結婚したケースは、わずか4件でした。他の年齢層で25歳差の年の差婚(女性年長)で見ても、2件~20件程度の範囲で収まっているので、日本社会では、マクロン氏のようなケースはきわめてレアだとも言えそうです。

(出所:平成22年国勢調査 人口等基本集計(男女・年齢・配偶関係,世帯の構成,住居の状態など) 全国結果) 

10歳以上の年の差婚をしている人は何人いるの?

 日本で年の差婚で有名な人といえば、浜崎あゆみさんがいますが、昨年秋には、2年半前に「年の差婚」をした10歳年下のアメリカ人男性と離婚する決意を固めたことが芸能ニュースで報道されていました。

 浜崎さんは当時、37歳だったので、お相手は27歳ぐらいだったのでしょうか。 浜崎あゆみさんの場合、離婚の原因が10歳の年齢差なのか、日本人とアメリカ人との価値観の違いなのか、それとも年収と社会的影響力の差なのかという、いろいろな臆測が出てきますが、この三つのギャップが並んでしまうと、結婚の持続がかなり難しそうに見えます。特に三番目のあたりは非常に厳しい問題です。

 ところで、そもそも、今の日本全国で年の差婚のカップルというのは何人ぐらいいるのでしょうか。 

 「そんなの分かるのか?」と思いながら探してみたところ、国勢調査の中にデータがあることに気づきました。

 平成22年の国政調査では3061万3187件の「夫婦」がいるとされています。

 不思議なことに「妻が15歳」(累計40件)とか「夫が15歳」(4件)「夫が16歳」(10件)「夫が17歳」(40件)という項目があるのですが、これは事実婚的なものもカウントしているのでしょうか。

 ただ、この謎の項目の数は少ないので、除外しなくても比率は大して変わりません。そのため、30613187件を母数として、そのまま比率を出してみましょう。

 浜崎あゆみさんのように「妻のほうが夫よりも10歳以上年上のケース」をAタイプとし、福山雅治さんと吹石一恵さんのように「夫のほうが妻よりも10歳以上年上のケース」をBタイプとしてみます(福山さんは46歳の時に吹石さんと13歳の年の差婚をしました)。

Aタイプ:妻のほうが夫よりも10歳以上年上

「140111件」なので、全体の0.457%でした。だいたい0.46%です。件数で言えば、だいたい14万件ぐらいですね。220組に1組ぐらいの割合です。筆者の予想よりも多かったのですが、やはり、浜崎さんや島袋寛子さんのようなケースは全体の中の割合としては少ないようです。

Bタイプ:夫のほうが妻よりも10歳以上年上

「1195081件」なので、全体の0.390%でした。だいたい4%ぐらいと言えそうです。件数で見ると、ざっと120万人ぐらいなので、数としてはけっこう多いようです。ちなみに、福山雅治さんと吹石一恵さんのケース(夫46歳、妻33歳)で見ると、2902件でした。一年後の夫47歳、妻34歳で見ても3020件なので、だいたい3000人ぐらいなのでしょう。両タイプを比べると、妻が10歳年上というのを男性が嫌がるためか、年の差婚の数字で見ると、BタイプはAタイプの8.5倍ぐらいの件数になっています。

 AとBの両タイプを足すと全体の件数の4.5%ぐらいなので、22件に1件ぐらいは、10歳以上年が離れた夫婦がいることになります。

「年の差婚」の件数はけっこう多い

 そして、各年代の妻・夫の中を占める「年の差婚」の比率も年代ごとにかなり変わるようなのです。

  まず、夫が10歳以上年上のケース(Bタイプ)を見ますと、年代が上がるにつれて、年の差婚が減る傾向が出ています(%は端数を四捨五入。%は、左側の件数のうち、右側の件数が占める割合を出しています)

  •  20歳以下の妻:30832人  10歳以上年上の夫:4226人(13.7%)
  •  21~30歳の妻:1908771人 10歳以上年上の夫:155662人(8.15%)
  •  31~40歳の妻:5838207人 10歳以上年上の夫:325040人(5.57%)
  •  41~50歳の妻:5749297人 10歳以上年上の夫:328132人(5.7%)
  •  51~60歳の妻:5838207人 10歳以上年上の夫:189500人(3.0%)
  •  61~70歳の妻:5749297人 10歳以上年上の夫:154383人(2.39%)

 では、妻が10歳以上年上のケース(Aタイプ)はどうなるのでしょうか。 

  •  20歳以下の夫:13825人  10歳以上年上の妻:433人(0.31%)
  •  21~30歳の夫:1401903人 10歳以上年上の妻:21227人(1.51%)
  •  31~40歳の夫:5126528人 10歳以上年上の妻:35627人(0.69%)
  •  41~50歳の夫:5361698人 10歳以上年上の妻:24791人(0.46%)
  •  51~60歳の夫:5986107人 10歳以上年上の妻:28679人(0.48%)
  •  61~70歳の夫:6774824人 10歳以上年上の妻:23879人(0.35%)

 データを見て分かったことですが、浜崎あゆみさんのように、30代の女性が年下の20代の男性と結婚するケースは、2010年時点ですでに件数が多くなっていました。これは最近に出てきた傾向なのかもしれません。

国政調査のデータを見れば年の差婚の件数が分かる

「どうやって調べたんだ?」という疑問を持たれた方もいるかもしれませんので、出典のサイトを紹介しておきます。E-STATという政府統計の窓口サイトがあり、そこに国政調査のデータ(統計表一覧 政府統計の総合窓口 GL08020103)が収録されているのです。

 「人口等基本集計(男女・年齢・配偶関係,世帯の構成,住居の状態など) 全国結果」を見ると、その17番目の項目に「夫婦の年齢」に関するデータがあります。

 夫の年齢(各歳)と妻の年齢(各歳)別に見た日本人の夫婦数が、「夫△△歳/妻〇〇歳」という具合にマトリクスになっていました(外国人データがないのは残念ですが)。