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ゼロからやりなおす「政治と経済」

政治と経済について、いまさら聞けない知識を整理しつつ、ニュースがよりよくわかるデータを紹介していきます。

2017年 中国の政治日程/経済スケジュール 米中首脳会談までの経緯とその後の予定は?

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(中国地図。赤は北京市。出所はWIKIパブリックドメイン画像

 4月6日に習近平氏は訪米。7日までの日程で米中首脳会談を開催します。

 習近平国家主席とトランプ米大統領との会談場所はアメリカ南部フロリダ州にあるトランプ氏の別荘「マララーゴ」。ここは安倍首相が日米首脳会談を行った場所でもあります。

 主要議題は北朝鮮の核とミサイルの開発、貿易問題などで、この会談を契機にトランプ政権が対中強硬路線に向かうのか、それとも軟化するのかが注目されています。

 この契機にトランプ氏当選以降の米中間のやりとりと、今後の政治日程を確認してみます。

対中強硬路線から軟化? 米中首脳会談までのトランプ政権の動き

 過去の経緯を見れば、トランプ氏は2016年の大統領選では中国批判を繰り返していました。

  • アメリカから雇用を奪い、知的財産権を奪っている
  • 大統領就任初日に中国を為替操作国に指定する
  • 中国からの輸入品に45%の関税をかける

 そして、当選後、12月2日に台湾の蔡英文総統を「プレジデント」と呼び、電話会談を行いました。

「台湾総統が私に当選勝利のお祝い電話をかけてくれた。ありがとう!」「アメリカは台湾に10億ドルもの軍の装備を売っているのに、私が当選祝いの電話を受けてはいけないとしたら、それは、とても興味深いことだ」

 3日にそうツィートした背景には、台湾の意向を汲んで元共和党上院議員のボブ・ドール氏が行ったロビー活動があったとも言われています。

 トランプ氏は12月11日にFOXテレビの番組に出演し、「なぜ、我々が『一つの中国』原則に縛られなければならないのか」と発言。中国を揺さぶるための手段として対中・対台湾外交転換の可能性を示唆しました。その後、軟化したことから考えると、これらは経済交渉で中国から都合のよい条件を引き出すための布石だったのかもしれません。

 中国側は南シナ海での爆撃機飛行、米軍の無人水中探査機奪取などを行って対抗。

 2月の日米首脳会談の直前には、トランプ氏は国務長官のティラーソン氏の意見を容れ、「一つの中国」を認める既存の外交路線に戻ることを表明。3月にはティラーソン国務長官が訪中しています。

(※そのほか、習近平氏の同窓生を中国大使に指名したりと中国側への配慮も見せている)

 現状では。為替操作国指定の先送りや「一つの中国」是認などで外交路線が軟化しています。首脳会談を「マララーゴ」で行うこと自体が一つの歓迎姿勢だとも言えますが、トランプ氏には前言撤回が多いので、今の路線がこれからも続くかどうかはわかりません。

 他の動きを見ると、17年の1月中旬には台湾の蔡英文総統が中央アフリカ諸国を訪問し、その前後に米都市に立ち寄り、共和党議員との接触も行われるなど、米国と中国、台湾の間では微妙な駆け引きが続いており、カーリー・フィオリーナ氏(ヒューレットパッカード元CEO)がトランプ氏と12月12日に面談した時、トランプ氏は中国を「最も重要な敵で、台頭する敵」と述べたとも報じられていました(読売朝刊7面:2016/12/18)。

 貿易面では、米中間はずっと微妙で、1月の米国不在のダボス会議では習主席氏が保護主義への反対を表明していました。

「各国に発展する権利はあるが、他国の利益を損なうことは許されない」「貿易紛争では両者が傷を負う」等と発言し、米国が中国製品に高関税をかけないように牽制したわけです。

 米通商法によれば、アメリカの大統領には議会の承認がなくても外国製品に関税をかけたり、制裁措置を講じたりする権限があります。

 近年、経済成長が下降気味の中国にとって、高関税の賦課は大きなダメージになるわけですが、その場合、中国側はボーイング社やアップル社等の製品に高関税をかけるので、両国の貿易の総額が減ります

 中国製品への高関税賦課を示唆することは牽制球になりますが、トランプ政権が実行に踏み切っていないのは、結局、実際にそれを行えばアメリカにも実害が出るからです。

 そのため、トランプ政権といえども「話し合い」で貿易の条件が改善されるなら、それにこしたことはないので、まずは米中首脳会談を開催することにしたーーというのが両国関係の現状なのかもしれません。

 ただ、トランプ氏は選挙期間中に日本やEU諸国よりも中国を激しく批判したので、同盟国に対してほどは、大きな政策転換ができないかもしれません。突然、ここで対中政策を180度変更した場合は、支持者が離れていくというリスクがあるからです。

中国の政治日程/経済スケジュールを追う

  こうした経緯を踏まえ、中国の政治日程を整理してみます。

 注目を集めた4月の習氏訪米では、首脳会談中にトランプ大統領がシリアへの巡航ミサイル攻撃を決断。その事実が記者会見で明かされました。

 この席で「外交安保」や「経済」等、閣僚級での四分野での対話の枠組みが決まり、米国側は対中貿易赤字削減の「100日計画」が開始されることが明かされています。

 北朝鮮問題を巡ってはトランプ大統領と習主席との間で電話会談も行われ、中国側が北朝鮮に自制を求める動きを見せ始めています。

  • 1月16日:アジアインフラ投資銀行(AIIB)発足一周年
  • 1月17~20日:世界経済フォーラム(習近平氏が保護貿易を批判)
  • 1月20日:16年の実質GDP成長率を発表(6.7%:前年比-0.2%)
  • 1月27日~2月2日:春節(旧正月)
  • 3月5~15日:全国人民代表大会
  • 3月15日:TPP閣僚会合(米中代表者も出席)
  • 3月17~18日:G20財務相・中銀総裁会議(ドイツ:バーデンバーデン)
  • 3月18日:ティラーソン国務長官が訪中
  • 3月24日:中豪首脳会談(季克強首相がキャンベラでターンブル首相と会談)
  • 3月26日:香港行政長官選に選挙委員会が投票(⇒林鄭月娥氏が7月1日就任)
  • 4月5日:習近平氏がフィンランド訪問
  • 4月6~7日:習近平氏訪米(米中首脳会談)
  • 4月7~10日:ノルウェー首相が訪中
  • 4月6~11日:ミャンマーのティンチョー大統領が訪中
  • 4月9~12日:日本国際貿易促進協会(河野洋平氏が代表)の代表団が訪中
  • 4月11~13日:張高麗副首相のロシア訪問
  • 4月20~21日:G20財務大臣・中央銀行総裁会議
  • 5月:プーチン大統領が訪中(「一帯一路」首脳会議)
  • 5月14~15日「一帯一路」構想に関する国際協力ハイレベルフォーラム(北京)
  • 6月4日:天安門事件28周年
  • 6月9~10日:上海協力機構首脳会議(カザフスタン)
  • 6月16~18日:アジアインフラ投資銀行(AIIB)年次総会(韓国・済州)
  • 7月1日:香港返還20周年
  • 7月7日:盧溝橋事件80周年
  • 7月 7~8日:G20サミット(ドイツ:ハンブルグ)※日中首脳会談開催?
  • 7月16日:米中首脳会談で開始した貿易交渉「100日計画」の最終日
  • 7月?:中国共産党中央政治局会議
  • 7月:習近平主席の訪露
  • 8月:ASEAN設立50周年
  • 8月:北戴河会議(党幹部が集う密室会議。中央政治局委員の選定等が行われる)
  • 8月24日:中韓国交樹立25周年
  • 9月:第9回BRICS首脳会議/プーチン大統領訪中
  • 9月3日:抗日戦争勝利記念日
  • 9月11日:一帯一路サミット
  • 9月11~13日:世界経済フォーラム(ダボス会議)
  • 9月29日:日中国交樹立45周年
  • 10月1~8日:国慶節(休日)
  • 10月:G20財務大臣・中央銀行総裁会議(米国:ワシントン)
  • 10月20~21日:第24回APEC財務大臣会合(ベトナム)
  • 10~11月?:中国共産党中央政治局会議
  • 秋口:中国共産党第19回党代表大会(第二期習政権成立)
  • 12月13日:「南京事件」から80周年として中国政府が慰霊式典を開催
  • 12月上旬?:中央経済工作会議
  • 年内?:トランプ大統領が訪中

 ※米中両政府が毎年開催している閣僚級の「米中戦略・経済対話」に関しては、参加人数減、会議分割等を通してスリム化が図られる見通し。これも米中首脳会談で協議される。

※8月の北戴河会議(非公開の会議)で決まった内容をもとに秋口に党大会。第二期習政権発足という流れ。

※中国外交部は「一帯一路」サミットとBRICS首脳会議という2つの行事をホームグラウンド外交の要として重視

※香港返還20周年、日中国交樹立45周年など、歴史の節目にあたる行事が多いことにも注意。