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ゼロからやりなおす「政治と経済」

政治と経済について、いまさら聞けない知識を整理しつつ、ニュースがよりよくわかるデータを紹介していきます。

世界高評価企業ランキング 上位3社はロレックス、レゴ、ディズニー(RI社発表)

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(スイスの風景。出所はWIKIパブリックドメイン画像)

  世界で最も評価される企業はどこか?

 そんな質問に答えるべく、毎年、企業ランキングを作成しているのはアメリカにあるレピテーション・インスティテュート社(以下、RI社と略)です。

 このコンサルティング会社は、約17万人を対象にして、毎年、企業に関して以下の七要件を調査し、「世界で最も評価が高い企業」を割り出すべく調査を行っています。

  • 製品とサービス
  • 革新性(イノベーション)
  • 労働環境
  • 企業統治(ガバナンス)
  • 市民性≒企業の社会的責任(シチズンシップ)
  • 指導力(リーダーシップ)
  • 業績

 ただ、選考の対象になる企業は、1)経済規模の大きい15カ国で存在感を示していること、2)本国で平均的に高評価を獲得していること、3)世界的に好感度で40%以上の評価を獲得していること、の三要件でスクリーニングをかけられています。世界各国の企業数を足すとは途方もない数になるからです。

 スマホ発火で世界を騒がせたサムスンのランキングが17位から70位に下落するなど、世相の動きも反映されているので、顧客の企業評価の動向を探る上で、このランキングは目を通す価値があるように思えます。

 むろん、一企業の見解なので、あくまでも参考意見ですが、これは非常に気になるテーマなので、 今回はこのランキングを抜粋で紹介してみます。

 このレポート自体は無料ですが、RI社のHPにて、氏名やメールアドレス等を記載するフォームを経てダウンロードする形式になっています(前掲リンクで取得可能)。

世界高評価企業ベスト20の顔触れは?

 この企業ランキングは100点満点の形式になっています。ベストテンを見ると、かなり僅差で、1位~10位までのポイントの差が3点ほどの範囲に収まっています。ベスト20位でも74.94ポイントなので、トップのロレックスとの差は5.5ポイント程度です。

  1. ロレックス(スイス/高級時計): 80.38
  2. レゴ(デンマーク/玩具):79.46
  3. ウォルト・ディズニー(アメリカ/エンタメ):79.19
  4. キヤノン(日本/事務・映像機器等):78.28
  5. グーグル(アメリカ/IT):78.22
  6. ボッシュ(ドイツ/自動車部品等):78.12
  7. ソニー(日本/電機等):77.74
  8. インテル(アメリカ/半導体):77.74
  9. ロールスロイス・エアロスペース(イギリス/航空機エンジン):77.66
  10. アディダス(ドイツ/スポーツ用品):77.27
  11. マイクロソフト(アメリカ/PCソフトやIT等):77.12
  12. BMW(ドイツ/自動車):76.93
  13. ミシュラン(フランス/自動車タイヤ)13 Michelin 76.75
  14. リーバイ・ストラウス(アメリカ/アパレル):76.70
  15. ナイキ(アメリカ/スポーツ用品):75.74
  16. 任天堂(日本/ゲーム):75.72
  17. フェレロ(イタリア/菓子等):75.45
  18. アマゾン(アメリカ/ネット通販等):75.33
  19. IBM(アメリカ/PC) 75.29
  20. アップル(アメリカ/電化製品やソフトウェア):74.94

レピュテーション・インスティテュート社は「質」重視?

 この顔触れを見て気づかれた方もいるとは思いますが、RI社のランキングは、どちらかと言えば、売上高等の「規模」よりも「質」を重視した評価になっています。

「業績」は七つの評価項目のうちの一つという位置づけなので、RI社は株の売買等で指標となる売上高や利益率だけでなく、数字には出にくい企業の潜在力を評価することに重きを置いているように見えます。

 RI社のランキングでは、ベスト20まで見ても、売上高ベスト5に位置するウォルマート、チャイナペトロイアムアンドケミカル、ペトロチャイナ、ロイヤルダッチシェル、トヨタ自動車が出てきません。

 顧客に質の面から評価されると厳しいのか、見事なまでに中国系企業が出てきません。韓国系企業もわりと低評価になっています。

 日本系企業はランクインしていますが、RI社ランキングではソニーが7位、トヨタが34位なので、筆者の脳裏には「ソニーがそんなによいのかな~」という疑問が残りました。このあたりには、多少、偏見が働いているような気がしないでもありません。

(ちなみに、存亡の瀬戸際に立たされている東芝はまだ前掲ランキングではまだ70位に入っていました・・・)

 RI社のランキングでは重厚長大の企業がやや低めになる傾向が出ています。ボーイング社も49位でしかないのに対して、前掲のベスト20には、顧客が実際に購入して商品を手近に触ったりサービスを体感できたりする企業(ロレックスの時計やレゴのおもちゃ、ディズニーの映画等)が上位に入っています。

 RI社のランキングは、企業を評価する際に、売上高や利益率など、財務諸表だけでは読めないデータを考える上での参考材料として使うべきものなのかもしれません。

部門別のトップ企業はどこ?

 そして、前掲七部門で見ると、以下の企業がトップになりました。

  • 製品とサービス ⇒ロレックス
  • 革新性(イノベーション)⇒グーグル 
  • 労働環境 ⇒グーグル
  • 企業統治(ガバナンス)⇒レゴ
  • 市民性≒企業の社会的責任(シチズンシップ)⇒グーグル
  • 指導力(リーダーシップ)⇒グーグル
  • 業績 ⇒グーグル

 七部門で見ると、グーグルがトップになるような気がするのですが、17万人の調査対象者は「製品とサービス」と「企業統治」を重視する割合が高かったので、前掲のランキングではロレックスとレゴの評価が高めに出ています。他の要素を勘案した場合は、グーグルのほうがバランスよく高評価を得ていると言えるのかもしれません。

世界各地域でベスト3の企業はどこ?

 なお、世界の各地域のランキングでは、以下の企業がベストスリーを占めています(前から順に1位、2位、3位)

  • 北アメリカ:ロレックス/グーグル/ソニー
  • ラテンアメリカ:グーグル/BMW/任天堂
  • ヨーロッパと中東:レゴ/ボッシュ/ディズニー
  • アジア:ロレックス/ディズニー/インテル

 北米ではソニー、南米では任天堂が高評価になっています。

 ロレックスはヨーロッパ及び中東では5位なので、北米やアジアほどの高評価を得ていませんでした。

 今の日本でのソニーの評価は「一度、斜陽化したものの、何とか浮上してきた企業」というイメージなので、本国でトップ3入りは厳しそうですが、北米ではトップ3に顔を出しています。これは「遠来の商品は良く見える」ということを意味しているのかもしれません。要するに「隣の家の花は赤く見える」という人間心理です。

 RI社は企業ランキングのほかにも、国の評価ランキングなど、気になる調査を発表しているので、たまにチェックしてみると、意外な発見があるかもしれません。