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ゼロからやりなおす「政治と経済」

政治と経済について、いまさら聞けない知識を整理しつつ、ニュースがよりよくわかるデータを紹介していきます。

トランプ大統領 ボーイング787ドリームエアライナーお披露目式典で演説

国際 トランプ政権2017 ビジネス

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(チャールストン市、レインボー通り。出所はWIKIパブリックドメイン画像)

  トランプ大統領は17日にボーイング社787ドリームエアライナーのお披露目式典で演説しました。

 サウスカロライナ州の北チャールストンにある工場での式典にトランプ大統領と南カリフォルニア知事(ヘンリー・マクマスター氏)が呼ばれ、製造ライン等を視察後、3000人の聴衆(ボーイング社社員)に向け、製造業従事者に向けたメッセージを送ったのです。

 トランプ氏のスタンスをわかりやすく示した一コマなので、今回は、この訪問と演説を取り上げてみます。

ボーイング787エアライナーがついに「発進」

 ボーイング社HPには、式典でのボーイングCEOのデニース・ミュレンバーグ氏の発言が掲載されています。

「ここボーイングのサウスカロライナで起きているのはアメリカの成功物語だ」

“What’s happening here at Boeing South Carolina is a true American success story,”

「わずか数年で、わが社のチームは緑の土地を近代的な航空機工場に変えた。この工場は世界中に787エアラインを送り、アメリカに数千の雇用を支えている」

“In just a few short years, our team has transformed a greenfield site into a modern aerospace production facility that is delivering 787s to airlines all over the world and supporting thousands of U.S. jobs in the process.”

("Boeing Debuts 787-10 Dreamliner Airplane scheduled to fly in the coming weeks, deliver to customers in 2018":MediaRoom - News Releases/Statements

  ボーイングの航空機販売部門のCEOであるケビン・マクアリスター氏はサウスカロライナと世界中にいるボーイング社のメンバーがつくったこの機体は世界で最も効率的だとも宣伝しています。

ボーイング工場で「米国第一」を訴えるトランプ氏

 この式典では、トランプ大統領が「アメリカファースト」を訴えかけています。

 ワシントンポストは2月17日の記事で以下の発言を紹介しました。

「我々は今日、ここにアメリカのエンジニアリングと製造業を祝福するために立っている」

“We’re here today to celebrate American engineering and American manufacturing,” Trump said.

「我々は雇用が生まれたことも祝いたい。そうだ、雇用だ!」
“We’re also here today to celebrate jobs. Jobs!”

「雇用は、私が今、ここに立っている主な理由の一つだ。私は決してあなたがたを失望させない。私を信じてくれ」ともつけ加えた。
“Jobs is one of the primary reasons I’m standing here as president, and I will never ever disappoint you. Believe me,” he added.

(略)

あなたがたは雇用にまつわる出来事を見ている。あなたがたはこの国に工場が戻る光景を見ている。
“You look at what’s happening with jobs. You look at what's happening with plants moving back to this country.
(略)

あなたがたの大統領として、アメリカ人の魂の力を解き放ち、偉大なる国民が働くためにアメリカに帰ってくるために、私はなしうるすべてのことを行うつもりだ。
“As your president, I’m going to do everything that I can to unleash the power of the America spirit and put our great people back to work.

これが我々のマントラだ。「アメリカ製品を買え。アメリカ人を雇え」 
“This is our mantra, buy American and hire American.”

(出所:”At Boeing, Trump returns to an economic message after a week of controversy”By Abby Phillip and Max Ehrenfreund February 17

 日本のメディアはトランプ氏への批判的な声のほうを多めに紹介していますが、動画で見ると演説の間には何度も喝采が起きています(次節のヴォイスオブアメリカ記事には埋め込まれた動画を参照)。

 列席したボーイング社のメンバーは同氏のメッセージを肯定的に受け止めているようです。

今後、F18戦闘機をボーイング社に大量発注?

 ボーイング社とトランプ氏の間ではエアフォースワンの価格交渉等も行われましたが、空母艦載機F18をはじめとした大口の発注を期待してか、同社はトランプ氏に肯定的なスタンスを取っています。

 ヴォイスオブアメリカの記事によれば、トランプ氏は「ボーイングの従業員に向けた発言の中で、大統領は従業員を解雇し、海外に移転した企業には『重罰を課す』と述べましたが、同時に、アメリカ空軍がボーイングが製造するF18に対して「大きな発注をかける」ともPRしています。

 ”During remarks to Boeing employees, the president said companies that fire American workers and move overseas "will pay a heavy penalty". Trump also said the U.S. military is looking at "a big order of F-18 Super Hornets." 

(出所:”Trump Touts 'America First', US Jobs During Boeing Factory Visit”  2017/2/17)

 飴と鞭の使い分けがなされていますが、ボーイング社は全体的には自社にプラスになると考えているのかもしれません。

 安倍首相訪米時の朝食会にもボーイング社のCEOは列席しており、同社はトランプ氏の製造業振興や空軍再建などの政策を追い風にして躍進することを狙っているように見えます。

 ボーイング(BA:boeing)社の株価も、トランプ政権発足後、上昇を続けています。

132.99(9/6)⇒139.54(11/4)⇒147.69(11/10)⇒155.68(12/30)⇒169.12(1/26)⇒162.26(2/1)⇒172.21(2/17)

 航空機製造の分野ではボーイングの影響は非常に大きいので、今後の展開が要注目だと言えるのではないでしょうか。