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ゼロからやりなおす「政治と経済」

政治と経済について、いまさら聞けない知識を整理しつつ、ニュースがよりよくわかるデータを紹介していきます。

トランプ相場でダウ工業30銘柄の株価はどう動いた? 航空、インフラ、石油化学、金融、保険、医薬品・・・

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(ワシントンスクエアの風景。出所はWIKIパブリックドメイン画像)

  大統領選後のトランプ相場が続き、2016年が終わろうとしています。

 トランプ氏当選後の閣僚指名がほぼ終わり、選挙前の予想とは逆の株価上昇が日米で続いているので、その変動の推移を追ってみたいと思います。

 2017年の株価を予測するためには、できるだけ多くの企業の株価の上がり下がりを一望したいものですが、まずは米国株で代表的なニューヨークダウ工業株30種の銘柄に焦点をあててみます。

 産経新聞の「日曜経済講座」(12/25:7面)を見ると、松浦肇氏がトランプ当選以降、従来、最も参考にされてきたS&P500種平均だけでなく、ダウ工業株30種平均が重視されるようになっていると書いています。12月16日終値でダウ平均は11月8日比で8%上がっているのに比べると、ナスダック総合指数の上昇値は4%程度と、ダウ工業株30種にトランプ氏の政策が+に働きやすい構図が出てきているからです。

「トランプ氏はダウ平均を構成するエネルギーや金融といった『オールド・エコノミー』の企業が直面する規制を見直す」「一方、ナスダック指数で比重の高いITの事業モデルに対して、トランプ氏は批判的だ。インターネットやビッグデータを活用して中抜きを狙う『ニュー・エコノミー』の企業は『オールド・エコノミー』企業と比べて、雇用を生みにくい点が背景にある」(電子版記事はこちら

 このダウ工業株30種の平均株価(単位ドル)は以下のように推移していますが、個々の銘柄はどのように動いたのでしょうか。

 18538(9/6)⇒17888(11/4)⇒18807(11/10)⇒19762(12/30)

トランプ当選で追い風?(製造業、資源、石油化学、金融保険、医薬品等)

黒太字はトランプ氏当選後の株価上昇。

赤太字は大幅な株価上昇

赤字は底値から10ドル以上の株価上昇

青字は5ドル以上の株価下落

薄青字は5ドル未満の株価下落

航空宇宙産業、防衛産業など

★ボーイング(BA)Boeing 航空機

132.99(9/6)⇒139.54(11/4)⇒147.69(11/10)155.68(12/30)

※トランプ氏は12月にF35調達見直し発言。ボーイングに競合機建造を発言。

★ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)United Technologies 航空宇宙・防衛

109.33(8/18)⇒98.67(10/21)⇒108.86(11/11)109.62(12/30)

※トランプ氏は12月22日のツィッターで「ロッキード・マーティンのF35はとほうもない費用だ。この費用超過のため、私はボーイングに、競合機のF18スーパーホーネットの見積価格を出すことを求めた」と述べています。12日にも費用見直し発言があり、ロッキードマーティン(LMT)社の株価は下降(※以下、LMT社の株価推移。端数略)。

 266(8/12)⇒230(10/21)⇒238(11/8)267(11/14)250(12/30) 

インフラ株、化学株、石油株など

★ゼネラル・エレクトリック(GE)General Electric 総合電機/金融

31.05(9/6)⇒28.44(11/4)⇒30.71(11/10)⇒31.6(12/30)

★キャタピラー(CAT)Caterpillar 重機

82.08(9/6)⇒89.42(10/5)⇒81.11(11/2)⇒93.45(11/10)⇒97.33(12/7)⇒92.74(12/30)

★デュポン(DD)E.I. du Pont de Nemours 化学

70.45(8/29)⇒66.37(9/29)⇒70.28(11/9)⇒73.4(12/30)

★スリーエム(MMM)3M Company 化学

180.5(8/29)⇒164.25(11/1)⇒174.28(11/10)⇒178.57(12/30)

★シェブロン(CVX)Chevron 石油

107.03(7/15)⇒97.7(9/20)⇒107.64(11/9)117.7(12/30)

★エクソンモービル(XOM)Exxon Mobil  石油

95.12(7/15)⇒88.24(9/7)⇒83.32(10/31)⇒87.05(11/10)⇒90.26(12/30)

※ティラーソン国務長官指名により7月の高値に近づいている。このあたりの業界は代表的なトランプ株

金融株など

★アメリカン・エキスプレス(AXP)American Express 金融

65.76(9/6)⇒59.9(10/17)⇒65.51(11/4)⇒72.42(11/14)⇒74.08(12/30)

★JPモルガン・チェース(JPM)JPMorgan Chase 金融

67.44(9/6)⇒67.17(10/17)⇒67.76(11/4)⇒79.36(11/15)⇒86.29(12/30)

★ビザ(V)Visa 金融

82.53(9/6)⇒80.36(11/4)⇒83.24(11/9)78.02(12/30)

★ゴールドマン・サックス(GS)Goldman Sachs 金融

169.33(9/6)⇒175.92(11/4)⇒211.19(11/15)239.45(12/30)

※9月6日比で1.5倍もの高騰。何しろ元ゴールドマンサックスのムニューチン氏が財務長官ですから・・・。

保険株、医薬品株

★トラベラーズ(TRV)The Travelers Companies 保険

119.29(9/6)⇒104.67(11/4)⇒112.18(11/14)122.42(12/30)

★ユナイテッド・ヘルス(UNH)UnitedHealth Group 保険

135.97(9/6)⇒137.71(11/4)⇒152.23(11/15)163.04(12/30)

★ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)Johnson & Johnson 医薬品

119.75(9/6)⇒113.44(10/21)⇒120.31(11/9)115.21(12/30)

★メルク(MRK)Merck 医薬品

63.24(9/6)⇒58.43(11/3)⇒64.96(11/10)58.87(12/30)

★ファイザー(PFE)Pfizer 医薬品

37.31(8/1)⇒29.89(11/3)⇒33.49(11/10)32.48(12/30)

★ウォルト・ディズニー・カンパニー(DIS)The Walt Disney 映画、メディア

106.6(5/10)⇒99.8(7/15)⇒92.45(11/4)⇒99.37(11/17)⇒104.22(12/30)

 

コンピュータ、通信、日用品等はトランプ当選後、いま一つ?

※アイビーエム、マクドナルド、ホームデポはトランプ当選後、株価上昇

通信、半導体、コンピュータ産業

★ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)Verizon Communications  通信

56.53(7/5)⇒53.71(9/7)⇒46.18(11/14)⇒53.38(12/30)

★シスコシステムズ(CSCO)Cisco Systems 通信

31.87(9/6)⇒30.19(11/4)⇒31.7(11/15)30.22(12/30)

★インテル(INTC)Intel Corp. 半導体

38.1(10/7)⇒33.61(11/4)⇒34.91(11/15)⇒36.27(12/30)

★アイビーエム(IBM)International Business Machines Corp. コンピュータ

163.5(8/5)⇒149.63(10/21)⇒161.27(11/10)⇒165.99(12/30)

★アップル(AAPL)Apple コンピュータ

107.7(9/6)⇒118.25(10/24)⇒105.71(11/14)115.82(12/30)

※中国での製造がトランプ氏に批判されていたアップルも大統領選後の株価下落から持ち直しつつあります。

外食、飲料、日用品、小売業など

★マクドナルド(MCD)McDonald's Corp 外食

128.26(7/22)⇒111.04(11/4)⇒120.0(11/18)⇒121.72(12/30)

★ザ コカ・コーラ カンパニー(KO)The Coca-Cola Co.飲料

46.89(4/4)⇒45.83(7/22)⇒42.88(11/8)⇒41.03(11/11)⇒41.46(12/30)

★ナイキ(NKE)Nike スポーツ関連商品など

60.22(8/24)⇒49.62(11/1)⇒51.59(11/17)⇒50.83(12/30)

★プロクター・アンド・ギャンブル(PG)Procter & Gamble 日用品

85.76(8/8)⇒90.0(10/7)⇒87.46(11/8)⇒82.0(11/18)⇒84.08(12/30)

★ウォルマート・ストアーズ(WMT)Wal-Mart Stores 小売業 

74.3(8/18)⇒67.46(10/12)⇒71.23(11/11)69.12(12/30)

★ホームデポ(HD)The Home Depot 小売業

138.77(8/1)⇒120.18(11/3)⇒129.85(11/11)⇒134.08(12/30)

 日用品や小売関連はマクドナルドとホームデポ以外はいま一つです。トランプ政権のドル高による物価上昇の影響なのでしょうか。

2017年の米国株はどうなるのだろう

 とりあえず、ダウ工業株の30種の株価の動きをざっと見てきました。

(追記:これは日本にも大きなプラス効果を生み、2016年10~12月期の公的年金の運用益が10兆円規模の黒字になったことが、2017年の3月初めに報じられています)

 急上昇し、あまりにも高値になった銘柄もあるので、ここは思案のしどころでしょう。

 実際のところ、17年1月にトランプ氏が大統領に就任し、政策の具体化まで見ないと分からないことも多いので、この高値が期待倒れに終わらないかどうかを、しっかりとチェックしていきたいものです。