トランプ政権と日本・アジア 2017

米国株や為替に影響する時事問題を中心に政治動向をウォッチ。今さら聞けない常識も再確認。

『四季報業界地図』 16年版と17年版の「注目業界ランキング」を比べてみる

f:id:minamiblog:20160925195020j:plain

飯の種を探す野良猫氏:筆者撮影 上野動物園近辺にて

 株を買う人の定番『四季報業界地図』の2017年版が出てから少し時間が経ちましたが、この本の奥付を見ると、ちょうど今日が発売日になっていました。筆者も本年版を入手したので、この際、昨年版と比べてみることにします。

16年版と17年版の「注目業界ランキング」を比べてみる 

 この『四季報業界地図』は「巻頭特集」「注目業界ランキング」「業界ごとの勢力地図」という順に内容が構成されており、三番目の各業界ごとの主要会社の比較やシェア、トレンドなどの解説の詳細さがいちばんの売りになっています。これをざっと見ると、それぞれの業界のメインプレイヤーにあたる企業がどこかが分かるから、重宝されているわけです。

 そのうち、「注目業界ランキング」は四季報記者たちがその年の動向を見ながら決めた業界の順番なので、比較的、編集部の主観的な判断が見えやすい箇所です。本年は173の業界からトップ22が選ばれたのですが、その顔触れの中には意外な「業種」が含まれていました。

f:id:minamiblog:20160908131421p:plain

それって「業界」なの? 四季報のランキングセレクトはやや異色

 四季報のランキングは業界と言いながらも、多少、違うものも混じっています。

「東京五輪」というのは、正確に言えば「五輪に関係する業界」でしょうし、「財閥」という業界があるのかどうかも疑問です。これは「財閥系企業の動向に注目」というぐらいの意味だと思います(財閥に関して、『業界地図』では、資源安と円高で大手メーカーや総合商社などが業績悪化しているので、17年度は中核企業の業績悪化が大事だと書かれています)。

 そして、二番目に「国際紛争・宗教対立」と書かれているのを見て、「何だそれ」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。「業界」というべきかどうかは分かりませんが、世界にイスラムテロなどが拡散しているので、この趨勢は無視できないと考え、四季報記者はこれを二番目にピックアップしたのでしょう。世界では軍需産業もありますし、セキュリティ関連の業界も市場は大きいので、確かに、ビジネスや投資を行う人には無視できないファクターです。

 三番目の人工知能は経済誌にもよく出てきているので、さほど違和感はなく、芸能プロダクションなどは定番という感じです。育児が出てきたのは待機児童問題がクローズアップされたためと思われます。

 そして、恐らく、多くの人が「???」と思うのは「国内宗教団体」のあたりかもしれません。この業種は2015年に初ランキング入りし(20位)、16年、17年にトップ10入りのメンバーとなりました。四季報記者がここに注目した理由を誌面から探ると、宗教団体の政治参加や本年にクローズアップされた「日本会議」と安倍政権の関係などのためだという趣旨の論述があります。

 その次の、自動運転、フィンテック、電力自由化などは、経済誌がよく取り上げるようなテーマなので、ありきたりと言えばありきたりかもしれません。 

「気になる」業界はどこですか?

 筆者としては、人工知能(AI)や自動運転、フィンテック、ドローン、IoTのあたりが気になります。人工知能の発達とともに、次の技術革新が起きているように思えて仕方がないからです。空飛ぶ自動車が人工知能の自動運転で動く時代が近づいています。

 政府の産業競争力会議が出した成長戦略でもロボットや人工知能を駆使した第四次産業革命の推進がうたわれており、自動運転車やAIによるスマート工場、ドローンの活用などを考えているようです。

 人工知能の活用は、ものづくり(トラブルの予兆発見)、医療サービス(最適治療の提案等)、インフラ点検等、幅広い事例が考えられますが、技術革新次第で次世代のビジネスも変わるので、このあたりは目が離せないのではないでしょうか。